2012年8月16日木曜日

♬♬ 海賊<Le Corsaire> ♬♬

バレエ ストーリー[9]

 

✪ 初演 : 1856年1月23日 パリ・オペラ座

✪ 音楽 : アダン、プーニ他

✪ 構成 : 3幕

✪ 背景 : ギリシャの地中海(イオニア海)の浜辺

✪ 主な登場人物 : メドゥーラ

          首領コンラッド

 

✪ ストーリー :

嵐で難破した海賊達が、通りかかったギリシャの娘メドゥーラと友人達に助けられる。海賊の首領コンラッドとメドゥーラは心惹かれ合う。しかし突然現れたトルコ軍にメドゥーラ達は誘拐され、奴隷市場に売りに出されてしまう。どうにかコンラッドら海賊達は彼女達を助け出し、宴を開く。
メドゥーラの願いでコンラッドが彼女の友人達を故郷に帰すと聞いたコンラッドの部下は、反発。コンラッドは部下によって薬草で眠らされ、メドゥーラは奴隷商人に連れ去られる。
やがて目覚めたコンラッドはメドゥーラを助ける。部下の裏切りを知ったコンラッドは、仲間の海賊とメドゥーラを乗せて、再び海賊船を出帆する。


✪ みどころ :

①2幕での、メドゥーラと奴隷アリとのグラン・パ・ド・ドゥ
 主役でないアリの、男性の筋肉の美しさをアピールする美しい踊り
②スピーディーな場面展開
 スピーディーな展開が観やすい

2012年8月15日水曜日

♬♬ ライモンダ<Raymonda> ♬♬

バレエ ストーリー[8]

 

✪ 初演 : 1898年1月17日 マリインスキー・バレエ

✪ 音楽 : アレクサンドル・グラズノフ

✪ 構成 : 3幕

✪ 背景 : 中世フランスのプロヴァンス地方

✪ 主な登場人物 : ライモンダ

          ジャン・ド・ブリエンヌ
          ハンガリー王アンドレ二世

          アブデラフマン

✪ ストーリー :

ドリス伯爵夫人の姪である美女ライモンダは、婚約者のジャン・ド・ブリエンヌがハンガリー王アンドレ二世と共に十字軍に出征するのを見送る。
城で待っている彼女の元に、サラセンの王子アブデラフマンがやって来て求婚する。彼女は拒否するが、強引に誘拐されそうになる。そこへジャンが帰還。ハンガリー王はジャンとアブデラフマンを決闘させる。勝利したジャンとライモンダの結婚式が催される。


✪ みどころ :

①数多くの古典バレエの生みの親、振付師マリウス・プティパの最後の大作
②さまざまな国の民族舞踊
 サラセンの騎士団のスペイン舞踊やハンガリーの民族舞踊チャルダッシュなど

2012年8月14日火曜日

♬♬ コッペリア<Coppelia> ♬♬

バレエ ストーリー[7]

 

✪ 初演 : 1870年5月25日 パリ・オペラ座

✪ 音楽 : レオ・ドリーブ

✪ 構成 : 3幕

✪ 背景 : ポーランドの農村

✪ 主な登場人物 : 人形コッペリア

          職人コッペリウス
          スワニルダ

          フランツ

✪ ストーリー :

人形作り職人コッペリウスの家のバルコニーでは、彼の作った人形の少女、コッペリアが座って本を読んでいる。村娘スワニルダと恋人フランツは、コッペリアを人間だと思い込み、フランツは美しいコッペリアに浮気心を抱いてしまい、2人は大喧嘩。
ある時、コッペリウスの落とした家の鍵を見つけたスワニルダと友人達は、好奇心から彼の家に侵入する。
コッペリウスの家。室内には沢山の人形が並んでいる。コッペリアも人形だったと分かって安心したのもつかの間、コッペリウスが帰宅し、逃げ遅れたスワニルダは隠れる。そこへフランツがコッペリアに会いに窓から忍び込んでくる。彼を見つけたコッペリウスは、彼に眠り薬を飲ませ、彼から命を抜いてコッペリアに吹き込もうとする。しかしそれを見ていたスワニルダは、コッペリアになりすまして、コッペリウスをからかう。この騒ぎにフランツも目を覚まし、2人は仲直り。
2人の結婚式、機嫌を直したコッペリウスや友人達によって華やかな宴が催される。


✪ みどころ :

①2幕でのスワニルダの演技
 人形が魔法で人間になっていくふりをするスワニルダの演技
②3幕での余興
 「時」「曙」「祈り」「仕事」「結婚」「戦い」「平和」と名の付いた踊りが続く
③エンディングが2パターン
 コッペリアが本当に人間になるパターン
 宴の隅でコッペリウスが壊れたコッペリアを見つめるパターン

2012年8月13日月曜日

♬♬ ジゼル<Giselle>♬♬

バレエ ストーリー[6]

 

✪ 初演 : 1841年6月28日 パリ・オペラ座

✪ 音楽 : アドルフ・アダン

✪ 構成 : 2幕

✪ 背景 : ドイツの農村

✪ 主な登場人物 : ジゼル

          アルブレヒト
          森番ヒラリオン

          精霊の女王ミルタ

✪ ストーリー :

とある農村に病弱だが踊りの好きな娘ジゼルが母親と住んでいた。アルブレヒトは貴族である身分を隠し、名をロイスと偽って彼女との恋を楽しんでいた。
ある日、アルブレヒトの婚約者バティルドの一行が村に立ち寄る。そこで、ジゼルに恋する森番ヒラリオンは、貴族であるアルブレヒトの正体を暴く。バティルドの手にキスをするアルブレヒトを見たジゼルは狂乱状態に陥り、息絶えてしまう。
森の墓場。結婚を前に亡くなった乙女達の精霊・ウィリが集まる場所。ジゼルはウィリの女王ミルタによって仲間に迎え入れられる。ウィリ達は夜中に迷い込んできた人間や裏切った男を死ぬまで踊らせる、という伝説があった。許しを請いにやってきたヒラリオンは、捕らえられ踊らされ、死の沼に突き落とされる。次にやって来たアルブレヒトも捕らえられ踊らされるが、ジゼルはミルタに彼の命乞いをし、彼は助かりジゼルの魂は静かに昇天していく。


✪ みどころ :

①バレエ・ブラン(白のバレエ)の1つ
②主人公が死装束で踊る唯一のバレエ作品、ロマンティック・バレエの代表作
③1幕「昼間の森」と2幕「夜の異次元空間」という対照的な表現

2012年8月10日金曜日

♬♬ ラ・シルフィード       <La Sylphide>♬♬

バレエ ストーリー[5]

 

✪ 初演 : 1832年3月12日 パリ・オペラ座

✪ 音楽 : ジャン・シュナイツホーファ

✪ 構成 : 2幕

✪ 背景 : スコットランドの農村

✪ 主な登場人物 : 空気の精シルフィード

          ジェイムズ
          エフィ

          占い師マッジ

✪ ストーリー :

スコットランドの農村。婚約者エフィとの結婚式を控えたジェイムズの前に、彼を愛する空気の精シルフィードが現れる。シルフィードの踊りにすっかり心を奪われたジェイムズは、友人たちが結婚の祝福に訪れるがうわの空。占い師マッジは「エフィを幸せにするのはジェイムズではなくグエンである」と言い、エフィを愛するグエンは期待を寄せる。
結婚式当日、結婚を知って悲しむシルフィードが現れ、指輪を奪い去り、ジェイムズも彼女を追って森へ行く。
森の中、ジェイムズは肩にかけると永遠に彼のものになるというショールをマッジからもらい、シルフィードの肩にかける。しかしそれは呪いのショールであった。シルフィードの背中の羽が抜け落ち、彼女は息絶える。遠くでエフィとグエンの結婚式の鐘が鳴り、全てを失ったジェイムズは嘆き息絶える。


✪ みどころ :

①バレエ・ブラン(白のバレエ)の1つ
②「妖精⇔人間」の恋と破滅を描いたロマンティック・バレエの代表作
③伝説のマリー・タリオーニ
 初演でシルフィードを演じたマリー・タリオーニは、まだ初期だったポワントを駆使して妖精を踊りきり伝説のバレリーナとなった
④空気の精シルフィード
 シルフィードが表現する、人間に恋する妖精の可憐さ

2012年8月9日木曜日

♬♬ ドン・キホーテ        <Don Quixote>♬♬

バレエ ストーリー[4]

 

✪ 初演 : 1869年12月26日 ボリショイ・バレエ

✪ 音楽 : レオン・ミンクス

✪ 構成 : 3幕

✪ 背景 : スペイン

✪ 主な登場人物 : ドン・キホーテ

          ドゥルシネア姫
          キトリ

          バジル

✪ ストーリー :

スペインのとある村に貧しい郷士が住んでいた。彼は騎士道小説を読みふける内に現実と空想の区別がつかなくなり、自らをドン・キホーテと名乗って物語の中に出てきたドゥルシネア姫を探す旅に出た。
舞台はバルセロナの市場。床屋の息子バジルと宿屋の娘キトリは愛し合っているが、父親は2人の仲を許してくれない。そこへドン・キホーテがやって来て、キトリをドゥルシネア姫と思い込んでしまう。
市場の騒動の合間にバジルとキトリは駆け落ちし、2人を追いかけてドン・キホーテもジプシーの野営地にたどりつく。ジプシーによる人形劇が催されるが、ドン・キホーテは人形劇に登場する悪者を敵と勘違いし、風車を敵と信じて突撃、意識を失う。夢の中でドゥルシネア姫に会う。
結婚を認められたキトリとバジルの結婚式が行われ、ドン・キホーテはドゥルシネア姫を探してまた旅に出る。


✪ みどころ :

①主役のキトリとバジル
 キトリ:原作とは異なり、バレエの主役はキトリ
 バジル:多くの古典作品では女性の後ろにいる男性が華やかなスポットライトを浴びる大役
②バレエコンクールやガラなどで人気

 キトリとバジルのグラン・パ・ド・ドゥや、キトリのヴァリアシオンなど

2012年8月8日水曜日

♬♬ くるみ割り人形        <The Nutcracker> ♬♬

バレエ ストーリー[3]

 

✪ 初演 : 1892年12月18日マリインスキー・バレエ

✪ 音楽 : ピョートル・チャイコフスキー

✪ 構成 : 2幕

✪ 背景 : ドイツのシュタールバウム家

✪ 主な登場人物 : 少女クララ

          くるみ割り人形
          ねずみの王様
          お菓子の精達

✪ ストーリー :

クリスマス・イブの夜、ドイツのシュタールバウム家ではパーティーが行われている。少女クララはクリスマスプレゼントにくるみ割り人形をプレゼントされる。
その夜更け、クララはクリスマスツリーの所に置き忘れたくるみ割り人形を見に来る。すると時計の針が12時を打ち、あたりの様子は一変。ツリーはみるみる大きくなり、ねずみの大群とくるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊が戦い始める。クララは自分のスリッパをねずみの王様に投げつけくるみ割り人形を助ける。美しい王子に変身したくるみ割り人形は、クララに感謝し、自分の国であるお菓子の国へ案内する。
お菓子の国に着いたクララは、金平糖の精やお菓子の精達に歓迎される。さまざまな踊りが繰り広げられるが、夢のような時間は終わり、クララはツリーの足下で目を覚ます。

✪ みどころ :

①3大バレエの1つ
②多くの演出がある作品
 少女が演じるクララ役、大人が演じるクララ役、バレエ学校の生徒という設定のクララ役・・